社員の「やりがい」を育てる一つの方法

こんにちは、ゆうゆーです。

先日はブログ記事のテーマについて読者さまからのリクエストを募り、たくさんのリクエストを頂いていたにも関わらず、候補にも挙げていなかった別の記事をアップすることにしました。申し訳ございません。

いつも記事を書く時ってこんな突発的な感じなんですよね。候補となるテーマをずっと眠らせておきながら、いざ書くのはその時に思いついたテーマが多いです。

もちろん、リクエストいただいたテーマについても書かないと決めたわけではなく、機会があれば書きたいと思っていますので、どうぞ気長にお待ちいただければと思います。


さて、私の社長としての使命とは何なのだろうか?と考えた時に、会社のトップですから業績を上げることはもちろんなのですが、それだけでは不十分だと考えています。

社長は、会社という「組織」のトップであると同時に、社員という「個人」のトップでもあります。ですから、この社員たちに(少なくとも会社にいる間は)充実した時間を過ごしてもらうこともまた、社員のトップたる私の使命だと思っています。

でも、ツイッターなどネット上ではたびたび「会社行きたくない」「早く帰りたい」「上司がクソ」などといった嘆きの言葉が聞かれます。会社員の中でも、会社へ行くのが嫌だと思っている人は9割以上を占めているような気がします。

そんな中、社員にやりがいを感じさせるのはとても難しいことですが、仕事を「楽しい」とまで思わせることは不可能でも、今まで「つらいだけ」だった仕事に対する気持ちを、「楽しい時もある」「それなりには充実している」というくらいまでステップアップさせることは可能かもしれません。

普段からよくあることなのですが、今日たまたま会社であった出来事を紹介します。

以前から、自社のある商品の取り扱いで困っているお客さんがいました。ただ、その問題はその商品特有のものであり、解決は不可能と私も考えていましたので、お客さんには「これはこういうもので、どうしようもないんです。。。」などと説明して納得してもらい、すっとその問題を抱えながら使っていただいていました。

そんな中、数名の社員がアイデアを出し合い、ずっと解決不可能と思われていたその問題をついに解決することに成功しました。素晴らしいことです。

うちの会社では同じお客さんがリピート注文をくれるケースが多いのですが、その商品でずっと困っていたあるお客さんに、問題が解消された旨を私が直接メールで伝えました。問題を解決したのは社員たちなのに、美味しいトコ取りですが・・・(笑)

すぐさま、お客さんから感謝のメールが私宛に届きました。「大変助かりました。悩みが一つ無くなりました。本当にありがとうございます」とのことです。

例えば、商品に対するクレームが私のところに来た場合、それを改善するには関係社員に伝えないわけにはゆきませんので必然的に伝えます。
でも、こういうメールは別に社員に伝える義務はありませんし、それで特に困ることもありません。社員も忙しいですし自分も忙しいので、普通は「読んで一瞬嬉しくなって、後は放置」というケースが多いと思います。

でも、私はこのメールをそのままプリントアウトして、この件に関係した社員たち全員に回覧させました。「お客さんは大変喜んでおられるようです。今後ともぜひこの調子で、お客さんの期待にたくさん応えてあげてください」という私の一言を沿えて、チームリーダーだけでなく末端の社員たちまで届けました。

どんな仕事に従事する人も、それを提供した相手に心から「ありがとう」と言われた時、それまでの苦労が(たとえ一瞬でも)吹き飛んで嬉しい気持ちになるはずです。それが分かるので、私はお客さんから感謝の言葉をいただくたび、必ずそれを社員たちに届けるようにしています。

顧客からの感謝の気持ちを社内で共有するなど、普通の会社なら別にしなくてもいいことだと思いますが、私の会社ではこれはクレーム対応と肩を並べるほど重要な責務であり、この一通のメールは重要資料という扱いです。回覧後はファイリングします。

子供を育てるのに「褒めて育てるのが効果的」とよく言いますが、社員だって同じでしょう。仕事が嫌でたまらない社員は、自分のやった仕事を認めてもらえること(つまり、褒め言葉)に飢えているのです。上司の褒め言葉も嬉しいでしょうが、自分が関わったお客さんからの褒め言葉はつまり社会からの認めですので、きっと格別なはずです。

職場というのは放っておくとどうしてもギスギスしがちですから、苦情のようなマイナスの情報だけでなく、このようなプラスの情報も積極的に話題にすることによって少しでも社員の気持ちが晴れれば嬉しいですね。私の会社では会議などはあまりやりませんが、やる時にはこういう明るいテーマも積極的に取り上げるようにしています。
こういうやり方も、冒頭に書いた「社員たちに充実した時間を過ごしてもらう」ことを目指す私の経営手法です。

職場の棚のファイルには、今はまだお客さんからのクレームや苦情に関するものが多いのですが、いつの日かこの棚をスカスカにするのではなく、「感謝の気持ちファイル」で埋めつくされた状態にするのが私の理想です(笑)

コメント

No title
褒める重要性、褒められる重要性は確かにありますね。
日本人は完璧にやって当たり前。不足は落ち度、即改善という文化があると思います。
職人か修行僧の様なその姿勢は素晴らしいですが、
精神鍛錬の練度が高くない限りは非常につらい人生になってしまいます。
常に喜び、楽しさ、嬉しさも厳しさ、苦しさ、悲しさと
同じ様に素直に出せる社会が広がればいいなと個人的には思っています。
ゆうゆーさんの会社がそういう指針を示せるトップを戴けているのは社員にとって
とても幸せな事だと思いますよ。
Re: No title
ユリウスさん、こんばんは。

ありがとうございます。社長になる前は「どうやって儲けようか」といったことばかりを考えていた気がしますが、今はもっと社員の立場に立って「どうやって居心地の良い会社を作ってゆこうか」ということもよく考えるようになりました。社員としたら、後者の方が重要ですからね。

そしておっしゃる通り、特に他人に対しては「できて当たり前」という考え方よりも「できなくて普通、できたら感謝」という考え方の方が、プラスの感情がたくさん出るようになって何かと上手くいく気がします。

また、このように感謝の気持ちを素直に伝えてくれるお客さんにも感謝しないといけませんね。
とても素晴らしい取り組みをされていますね。
お客様の声を社内で共有することは、社員一人一人のやりがいを高めるだけでなく、社員一人一人がお客様の方に目をしっかりと向ける良い機会になると思います。
部署によってはお客様との直接の接点が無い場合もあります(私がそうです)が、そういう部署で仕事をしていると意識がなかなかお客様の方に向かず、社内の決裁をとることに気持ちが向いてしまいがちです。
すると、仕事も面白くなくなりますし、良い仕事もできないと私は思います。
そのような事態にならないようにするためにも、良い取り組みをされているなーと思いました。
Re: タイトルなし
ありだんさん、こんにちは。

全くおっしゃる通りで、うちの会社でもお客さんと直接の接点があるのは営業部門とか販売部門だけで、その他の部署はお客さんと関わる機会がほとんどありません。故に、自分のした仕事についてお客さんがどう思っているかなんて知ることもなく、淡々とした面白味のない作業になりがちなんですよね。

仕事に限りませんが、自分が誰かのためにやったことに対して反応が欲しいですよね。ブログを書く作業なんかもそうですね。
普通の会社では、悪い反応(クレームなど)はすぐに伝わるシステムができていますが、良い反応が伝わることは少ないと思い、これも積極的に伝えるようにしています。効果は大きい気がします。
No title
ゆうゆーさん。こんにちわ。
先日初コメントさせて頂きましたやきとりです。

私は9割側の人間でした。
会社という組織が嫌いで離脱した人間です。

上司の株を上げるためだけの仕事。意味があるのかないのかすらわからない仕事。
限界を感じ離脱しました。(今考えると自分勝手な部分も大いにありますが…)

こういう記事を拝見しますと、組織というものも悪いものではないな、また
組織で働いてみたいなという気になってしまいます。

最近はパソコンの前でポチポチするだけの生活が嫌になっているだけという気もしますが…笑

感謝の共有非常に重要だと思います。
ありがとうございました。
Re: No title
やきとりさん、こんにちは。

随分と悩まれた末の退職だったのですね。本当に難しい決断だったこととお察しします。

どこの組織でも何十人かに1人くらいは変わった人がいるものですが(笑)、やきとりさんのようなまともな方(コメントを二つ三つ読めば分かりますので)がそのように思われるのは、やはりその組織の方にも問題があったのだろうと想像がつきます。

自分ができることと言えば、「自分の会社の社員たちにはそのような思いをさせないように気を配り、居心地の良い環境を作る」ということくらいですが、このような体験談を聞けるというのは経営者として本当に貴重です。ありがとうございます。

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