過去の株価と比べてはいけない

こんにちは、ゆうゆーです。

バリュー投資家がよく犯してしまう過ちの一つに、
「今の株価を、過去の株価と比べて割安か割高かを判断してしまう」
という行為が挙げられると思います。

例えば、今の日経平均株価は14000~15000円くらいですが、
ほんの2年前までは8000円台でした。
ですから、いろいろなブログを拝見していると、
「今の株価は高すぎる、手を出さない方がいい」などの意見が散見されます。

確かに、日経平均のファンダメンタルズが、
この2年間で1.8倍も成長したのかと言われると、していないでしょう。
そういう意味では、2年前と比べれば確かに今は割高です。

ただ、それはあくまで「2年前と比べれば」という話です。
日経平均の価値と比べて割高だとは、誰も言っていません。

あまり自信はありませんが、私が考える今の日経平均株価の水準は、
おおよそフェアバリューか、もしくはやや割安なくらいだと思っています。
それは、過去の日経平均株価と比べたのではなく、
日経平均のファンダメンタルズと見比べて、そう判断しているのです。

私の日経平均の割安さの評価が正しいかどうかは置いておいても、
考え方自体は間違っていないと思います。

今の日経平均は、分かりやすく言えば、
超割安だったものが割安になったに過ぎません。(と私は思います)
割安なものを「手を出さない方がいい」と避けるのは、
あまりよい選択肢とは言えませんね。
何度も言いますが、今の日経平均が実際に割安かどうかは責任は持てませんので・・・。

過去の株価と比較して割安、割高を判断してしまうと、
時として大きな失敗を犯してしまうことになりかねません。

バリュー投資の教科書銘柄、ALサービスの10年チャートを見てください。

以前の株価と比較すれば、過去のどの時点でも割高という判断になりますが、
実際には、過去のどの時点でも買い時だったことが分かると思います。

正しい「割安さの測り方」を理解していない人には、
いつまで経ってもこの銘柄を買うことはできなかったでしょう・・・。

また、ハピネットという銘柄が先週は15%もの大暴騰を見せましたが、
特に割安さを重視されるバリュー投資家の方々においては、
いくら妖怪ウォッチの先行きが明るいと分かっていても、
今からこの銘柄を買おうと決断するのは、非常に勇気がいると思います。

ですが、私だったら今からでも買いますね。
なぜなら、アイカツや妖怪ウォッチの価値と比べれば、
ハピネットの株価はまだまだ安い、と思っているからです。
既に先週に大暴騰してしまったとか、そんなことは関係ありません。
もちろん私が割安と思うだけですので、みなさんはみなさんの評価基準で判断してくださいね!

逆にファーストリテイリングなんかは、昨年末の高値45350円から
今は32770円となっており、既に28%も下落していますが、
果たして今は買い時だと言えるでしょうか?
ちなみに、同社の今の会社予想PERは38倍です。

私の現在の保有銘柄で、株価が大きく下がった時に買ったと言えるのは、
アサンテ、DVx、エスクリの三銘柄くらいですが、
では、この三銘柄は他と比べて高いパフォーマンスを出しているかというと、
全くそんなことはないようです。

以前の高値や、以前の安値などを気にしてしまっているうちは、
正当な割安性評価はできないということを、肝に銘じておくべきですね。

以前より株価が安くなったからといって、その株を買う理由にはならないし、
高くなったからといって売る理由もどこにもないのである。
【ピーター・リンチ】

コメント

日経平均株価
昨今の日経平均株価は、ドル円の為替レートに完全にシンクロしています。それは東証市場に占める外資の影響が非常に大きくなった事に関係しています。
よって、8000円台の頃と現在の株価で何が変わったのかというと、極論すると、ドル円の為替レートが変わっただけです。
よって、過去の株価と単純に比較するのは確かに無意味ですね。
今後、米国の景気が本格回復して金融引締めが進むとすれば、必然的にドル高になりますので、日本株も騰がるでしょう。
さらに
付け加えるなら、アベノミクスはリーマンショック後のQE政策と何ら変わらないのですよね。
金融緩和で、自国通貨安と株価上昇を図るという、至極当たり前の事をやっただけなんですよね。
ただ、同時に消費税を上げるという愚作も行ったところが、財務省の魔手に浸食されている日本政治らしいところですが・・・。
難しい
個別銘柄の株価で見れば業績の好不調などで上下がありますが、日経平均全体で見れば一番影響が大きいのは為替レートである事は間違いないですね。
日経平均に連られるように新興市場も動きますから、割高割安を意識するより為替レートを睨んでおいた方が株価の動きは分かり易いかも知れませんね。
相互リンク
突然の訪問、失礼いたします。
私はこちら⇒http://youkaqwe.blog.fc2.com/
でブログをやっているきみきといいます。
色々なブログをみて勉強させていただいています。
もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
「やってもいいよ」という方はコメントを返してくだされば、
私もリンクさせていただきます。
よろしくお願いします^^
Re: 日経平均株価
ぽんたさん、こんにちは。

私は「経済や為替は読めない」という考え方ですので、
もしも日経平均が為替に完全連動するのであれば、
今の日経平均が割安か割高かは、分かりようがありません。

私は日経平均を経済指数などではなく、採用225銘柄の集合体、
つまり企業と見ています。
景気敏感株と低成長株の要素を併せ持つ企業、と見ればよいでしょう。
企業ですから、PERやPBRで割高さは判断できるはずです。
(ただ、景気敏感株なのでPERは当てにならないかもしれません)

余談ですが、バブルの頃から日経平均が右肩下がりになっている理由は、
「日本がデフレであったり、為替(円高)に連動しているからだ」
と考えておられる方もおられますが(どちらも似たような意味かな?)、
私はそれだけが原因とは思いません。
割高だったものが、徐々に是正されてきているのです。
バブル絶頂時は、日経平均のPBRは6倍を超えていましたからね・・・。
Re: 難しい
ペンギンさん、こんにちは。

日経平均株価が為替レートに連動しているのは、
景気敏感株(輸出関連株)の要素を持っているからだと、私は思います。
景気敏感株は、円高になると利益が下がりますから、
株価はEPS(業績)に連動しているという考え方で間違いないでしょう。

そして為替が読めない以上、景気敏感株の株価が割安か割高かは、
基本的には読めないと私は思っています。

ただし、株価とEPSが連動するのは、
収益価値が解散価値を上回っている場合のみです。
解散価値さえも下回れば、理論的にはそこが底値になるはずです。

リーマンショックで赤字寸前まで日経平均のEPSが落ち込んだ時でも、
日経平均のPBRはで0.9倍までしか下がっていません。
ちなみに2006年3月頃は、PBR2.6倍まで上がっていました。
そう考えると、今のPBR1.28は割安ではないか? と思えてくるのです。
(ちなみに、今の日経平均のPERは13.8倍、PBRは1.28倍です)
Re: 相互リンク
kimikiさん、はじめまして。

申し訳ありませんが、当ブログは株式投資ブログですので、
相互リンクも株式投資ブログに限定させていただきたいと思います。

すみませんが、ご了承いただきたく存じます。
PBRと株価
こんにちは。
リーマンショック後の日経平均のPBRは0.9倍、現在の日経平均のPBRは1.28倍との事ですが、その割に株価はリーマンショック後に比べてかなり上がっていますね。
これは、どう読めば良いのでしょうか?
Re: PBRと株価
トトロさん、はじめまして。

日経平均の、2009年3月末時点の株価が8110円、BPSは9010円で、
そして現在の株価が14290円、BPSが11160円です。
(計算すれば、前者のPBRは0.9倍、後者のPBRは1.28倍です)

要するに、2009年3月末時点から丸5年が経過して、
BPSも成長したということです。年率にすれば4.4%の成長ですね。

これが、日経平均は低成長株の要素を持っていると私が言う理由です。
もちろん景気敏感株の要素も併せ持っていますから、
EPSは景気や為替で相当バラつきますが、BPSは概ね右肩上がりです。

仮に、今の日経平均株価が8110円をつけていたとしても、
2009年3月末の8110円と比べて、同じ割安さとは言えないのです。
もちろん今の方が日経平均が成長している分、割安だということです。

あくまで私の予測であり責任は持てませんが、
日経平均株価が今後、リーマンショック後の最安値を下回ることは、
私が生きている間には起こり得ないような気がします。
(もちろん、相場ですから絶対はありませんが・・・)
ただ、バブル時の最高値38915円を更新する方が確率は高いと思います。
No title
はじめまして、ゆうゆーさん。

分かり易くて為になる投資の話、ありがとうございます。

Re: No title
豆柴きん太さん、はじめまして。

日経平均と聞くと、何かすごく難しい経済指標のように思ってしまいますが、
個別株と同じように企業と考えれば、何となくイメージが湧くと思います。

難しい言葉を極力使わず、誰でも理解しやすい内容を心がけていますので、
そう言ってもらえると嬉しいです。
間違ったこと、納得できないことを発信している時もあるかもしれませんが、
その時はその時で、適当にスルーしていただければ幸いです。

少しでも参考になりますよう、独自の考え方を今後も発信してゆきますので、
これからもよろしくお願いします。

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