企業の各種施策に対する、市場評価と私の評価

こんにちは、ゆうゆーです。

前回、読者のすりぃさんよりコメントでご質問がありましたので、この記事にて私の見解を回答させていただきます。
(すりぃさんからのご質問については、こちらをご確認ください)

企業が行う数々の施策について、市場の評価と私の評価をまとめました。
プラスの場合は「○」、マイナスの場合は「×」、プラスでもマイナスでもない場合(中立)は「△」で表します。

■増資
市場評価   : ×
ゆうゆー評価 : ×~△(まれに○)


増資はほぼ間違いなく、市場評価はマイナスでしょう。
株式の希薄化が起こることに加え、需給も悪化することが予想されるため、それを見越して株価は大きく下がることがほとんどです。

私の評価としては、希薄化はもちろんマイナス要因です。
ただ、需給悪化はマイナスとは見ません。

ただもう一つ、当たり前ですが増資をすれば企業には大きなお金が入ってきます。増資の評価をするに当たっては、このお金の使いみちがとても重要なのです。

このお金を、今後の成長のために有意義に使えるという条件つきでなら、この点はプラス要因となります。しかし、昨年のALサービスの増資のように意図がよく分からない増資ならば、プラス要因とは見ません。

希薄化によるマイナス要因と、お金の有効利用というプラス要因が勝負し合い、トータルでマイナス要因が勝てば私の評価は「×」、引き分けとなれば私の評価は「△」となる、ということです。
(プラス要因が勝てば「○」となりますが、そういうケースは珍しいですね・・・)

また、同じ増資でも株価が高値にある時に実施すればその分だけ多くのお金が入ってくることになるため、プラス要因は強まりますが、そこまで考えると話がややこしくなるため、割愛します。
この評価は「株価は高くも安くもない普通の時」ということでお考えください。


■自社株買い、増配(配当開始)、優待拡充(優待新設)
市場評価   : ○
ゆうゆー評価 : △~○(まれに×)


自社株買いは増資と全く反対ですね。
上記の「増資」とは真逆の説明となりますので、詳細はここでは書きません。

増配や優待拡充も結局は同じことで、1株利益を上げることでキャピタルゲインの向上に繋げるか、配当を増やすことでインカムゲインの向上に繋げるかの違いだけですね。

また、もし業績が悪化して倒産しそうな時に増配などという無謀なことをすれば、それは私の評価では「×」となりますが、そんな企業はあまりないでしょうから、「まれに×」という表記に留めています。

また、減配についての評価は当然この真逆となりますので、説明は割愛します。


■ストックオプション
市場評価   : △~×
ゆうゆー評価 : △


ストックオプションの規模にもよりますが、市場の評価としては「株式の希薄化につながる可能性がある」と見て、若干のマイナス評価を下す(株価が下がる)ことが多いような気がします。

ただ、こと中長期的に見てみれば、これにより従業員の士気向上、ひいては業績の向上につながると言えなくもありません。
これは、「従業員の賃上げは、その企業にとってプラスとなるか?」という議論に近いような気がします。

いずれにしても、増資と比べれば規模も小さいことが多いため、あまり気にする必要はないかもしれませんね。


■立会外分売
市場評価   : △~×
ゆうゆー評価 : △


短期目線の市場は、需給の悪化をとても嫌がる傾向にありますね。
立会外分売は需給の悪化を招く可能性が高いため、株価がそれを先取りして下がりがちになることが多いようです。
(一部上場とセットで出されたりして結構、誤魔化されますが・・・笑)

しかし、増資と違って株式の希薄化を招くことはなく、単なる需給悪化の問題だけですので、中長期的には何も変わりません。
よって、私の評価は「△」となります。


■株式分割
市場評価   : ○
ゆうゆー評価 : △


株式分割は、流動性の向上や株主数アップにつながります。
流動性が向上すれば、資金量の多い短期投資家の投資対象にもなるからなのか、株価も上がることが多いですね。

もちろん、これが将来の業績に影響するようなことはありませんので、中長期目線の私の判断としては「△」となります。

ただ、株主数のアップが結果的に、後述する「東証一部上場」等につながる場合も無くはありませんので、その可能性を見越して株式分割するケースでは、若干のプラス評価にはなるかな・・・といったところです。


■東証一部等への指定替え
市場評価   : ○
ゆうゆー評価 : △~○


東証一部上場を果たすことにより、多くのファンドの買いの対象になるなど、需給面で良好になると見込まれることから市場の評価はプラスとなります。
企業の信頼性アップによる業績向上を見込んでというよりも、この需給面での影響が大きいのではないか、と個人的には考えています。

私の評価としては、マイナスにはならないことは間違いありませんが、プラスになるかどうかはその企業の事業内容次第です。
事業内容が、大きな信頼性を求められるような性質のものである場合は「○」、そうでない場合は「△」という評価になります。

お客さんの立場に立った時、「その企業が一部上場している」という事実が、その企業の扱う商品(サービス)を買うか否かの判断に少しでも影響するか?ということです。

東証一部へ上場すると、杓子定規にプラス評価を下す投資家は多いのですが、上記を考えれば明確にプラスになる企業って実際にはそう多くないのでは・・・と、私は考えています。


このような感じで、市場は短期的な目線(1~2年後)で評価するのに対し、私は中長期目線でどうなるか、ということに着目して評価しています。

短期目線の場合、長期業績よりも短期業績、そして需給がもっと大切ですが、中長期目線の場合、需給や短期業績よりも長期業績への影響が大切です。
この違いが、市場評価と私の評価にギャップをもたらしているものと思います。

この記事に書いたような、企業の各種施策に対する評価についても、世間一般の常識を盲目的に信じるようなことはせず、自分の頭で考えることを私は心掛けています。
関連記事

トラックバック

コメント

No title
ゆうゆーさん、こんにちは。

自分もゆうゆーさんとほぼ同じ感覚です。
株式分割や1部上場期待で買う場合は、タイミングが結構難しいと最近感じてます。
最近は市場が先読みをしているせいか、株式分割や1部上場で材料出尽しになるパターンも多い気がしてます。
1部上場の条件をそろそろ満たしそうな銘柄は、ブログや株特集の雑誌などで紹介されているので、そういった状況で1部上場とか買うと、却って材料出尽し,酷いと増資とのコラボで散々な目にあうパターンもありそうに見えます。1部上場の方はそれでも長期的にはプラスになるとは思いますが・・・。

結局,指摘されているように、短期視点の材料は参考程度がよく、長期視点が無難かなと感じました。
  • 2015-04-12 | 20:37 |
  • タカ | URL |
  • [edit]
お疲れさまです。
ゆうゆーさん。こんばんは。
先週はとうとう2万円に乗せましたね。

増資などの考えはほぼ、ゆうゆーさんに共感します。増資=悪いと新聞記事などを鵜呑みにしていないか、むしろ、成長に繋がることもあるのではと自分のアタマで、個々のケースで考えるのが大切だと思います。(皮肉なことに自分のアタマで考えない人が多いとチャンスも生まれますが、、)

話は変わりますが、ゆうゆーさんがオススメのイチローさんの本を買おうと思ったら売り切れでした。。残念です。
  • 2015-04-12 | 21:02 |
  • とし | URL |
  • [edit]
ありがとうございます
ゆうゆーさん、こんばんわー

わぁ、こんな早く丁寧に回答があるとは‥恐縮です。
ありがとうございます。

株式分割は○、ストックオプションも○、そういうことをいってる人がいて、『?』と感じてました。
株式分割は人気化して絶対上がる、ストックオプションは行使予定金額より下がらない、といった具合だったのですが、個人的には過剰な株式分割したら注意、ストックオプションが多い場合は売却の検討としていました。

と言っても感覚的なものだったので、上のようにまとめていただけると、改めて考え直す機会になりました。

分割によって保有者増やすのが東証上場に繋がるものの、上場自体がメリットにならないことがある、と考えたことがありませんでした。

東証上場○
ここは考えずになんとなく信じてたんだなぁ、と反省です。

大変勉強になりました。
ありがとうございますm(_ _)m
  • 2015-04-12 | 21:45 |
  • すりぃ | URL |
  • [edit]
No title
おつかれさまです。
今回の記事は殆ど私もゆうゆーさんに近い意見ですね。
自社株買いや配当、株主優待はまさしくその通りだと思います。
結局のところ、市場評価がいかに短期目線なのかを考えさせられます。

そして敢えてゆうゆーさんが割愛された部分を突っ込みますが、
「割高な株であればあるほど、『株券の希薄化』より『純資産増加』が大きくなる」と言えますね。

例としてエニグモのような現在の株価1046円でPBRが8.4もある企業が「業績拡大の為の広告費用を増資で捻出します!」と発表して新株を2割発行して増資した場合、理論上、株価は約17%低下して約870円程度に希薄化しますが、純資産は168%増加、株価が17%しか落ちないのに純資産は倍以上に増える計算です。(間違っていたらすみません)

成長株などは自分の資産(資金)をフルに投資して業績を拡大していますが、増資によって資金を多く投資(成長)に使えることで更に業績が更に拡大する場合、純資産増加=業績拡大と見ることが出来ます。
ホルダーとしては株価が下がるのは歓迎しにくいですが、それ以上に成長力が付いて企業価値が上がるのであれば増資は大歓迎でしょうね。
私としても増資で希薄化されるようなら喜んでPFに加えたいと思います。(エニグモは収益で広告費用を賄うそうで増資は考えにくいですが)

ただこれは本当にゆうゆーさんが仰っている『増資した資金の使い道』が何よりも重要で、投資、成長に回されるのか、単に内部留保に回されるのか、タコ足配当に回されるのか、増資する目的、資金の使い道が何より重要だと思います。
  • 2015-04-12 | 22:25 |
  • 遅咲きの桜 | URL
  • [edit]
ゆうゆーさん

こんばんは。

増資の市場評価×は必ずしもそうではないと思いますよ。株主資本コストを上回る業績の拡大が実現されるのであれば◯でしょう。少なくとも資金的なマジョリティーはバカではないのでもちろんそこはちゃんと見ています。

増資を×と捉えるのは株主資本コストを理解していない個人投資家に多いと思います。

ただ、これだけ低金利下にもかかわらず高いコストを払って増資を行う経営者は余程ファイナンスに対する考えが甘いという点を考慮すると×にしてもいいのかもしれないですね。

あと債務超過に陥っている企業はそもそも配当できませんのでまれに×というか有り得ないですよねwああ、でもよく見ると倒産って書いてあるからそこの区別はされてらっしゃるということですかね。
  • 2015-04-13 | 00:07 |
  • リプロ | URL |
  • [edit]
しるし
ゆうゆーさんこんにちは.

投資手法や立場によって意見が変わる面白い話題ですね.
私は成長企業の長期投資の立場です(想定通りにならず短期で売る場合も多々ありますが).
私の考え方も全てゆうゆーさんと同じと言えますが,印のつけ方としては,
・増資△(借り入れか増資か二択なら借り入れに○)
・自社株買い△(そのお金使って成長してほしい)
・増配△(そのお金使って成長してほしい)
 自社株買いか増配かの二択なら自社株買いに○.
△ばかりですみません(笑).
理想に近い理由で現実的ではないかもしれませんが.

需給に関係することはあまり気にしません(気になるけど).
成長企業投資なので,
この企業にはどのパターンが最も適しているか,を考えるよう心がけています.
そのためにはビジネスモデル等の理解が必要ですが,企業にによっては難解ですね.

前回の記事も面白かったです.
これからも楽しみにておりますので,適度なペースでよろしくお願い致します.
  • 2015-04-13 | 01:10 |
  • RoS | URL |
  • [edit]
Re: No title
タカさん、こんにちは。

私も一部上場や株式分割は、あくまでオマケだと捉えています。
おっしゃる通り、近いうちの一部上場が見込まれていたりする銘柄は、
株価はそれを先取りして既に上がっていたりしますし、
逆に完全にサプライズの一部昇格だったら、
それはそれで私が予想できるはずがありませんので、意味がありません。

長期では結局のところ、株価は業績に追随する可能性が極めて高いため、
この手の判断は「業績にどれほどの影響を及ぼすか」という視点で見るのが、
私たちの投資法にマッチしているのかな、と思います。
  • 2015-04-13 | 09:57 |
  • ゆうゆー | URL |
  • [edit]
Re: お疲れさまです。
としさん、こんにちは。

自分の頭で考えることは、とても大切なことだと思います。
みんな結構(私も含めてですが)自分の頭で考えているようで、
意外と世間の常識に流されていたりします。

たとえ間違っていても、自分の頭で考えたことであればその後が違いますからね。
ここは、私もこのブログを通して強く訴えてゆきたいところです。

イチローの本は売り切れでしたか・・・。
タイトルで検索して他のショップを見てみればあるかもしれません。
  • 2015-04-13 | 09:57 |
  • ゆうゆー | URL |
  • [edit]
Re: ありがとうございます
すりぃさん、こんにちは。

ストックオプションはともかく、株式分割は短期目線では○であることは、
間違いないと思います。
おそらくその方は、比較的短期で売り買いする方なのかもしれませんね。
時間軸が違えば、これらに対する評価も変わってくるのが面白いところです。

「一部上場がプラスにならない時もある」なんて変わったことを言っている人は、
あまりいないのではないでしょうか?(笑)
私の評価は、誰かの受け売りでも何でもなく、
あくまで私自身が自分の頭で考えて出したものであり、
「そういう考え方もあるんだ・・・」程度にでも受け取ってもらえれば幸いです。

こちらこそ、すりぃさんに興味深いご質問をしていただいたおかげで、
自分の考えを改めて整理することができました。
ありがとうございます。
  • 2015-04-13 | 09:58 |
  • ゆうゆー | URL |
  • [edit]
Re: No title
遅咲きの桜さん、こんにちは。

増資と一口に言っても、その中身は本当にそれぞれの企業次第ですよね。
遅咲きの桜さんのおっしゃる通り、PBRが高い株であればあるほど、
同じ規模の増資でも効果は高いはずです。

エニグモのような企業が増資をしたら、かなりお得だとは思います。
ただ、お得とはいっても増資をしなければならないほどのキャッシュが、
成長のために本当に必要なのか? と聞かれれば、それは分かりません。

いくらお得とは言っても、必要のないお金を得るための増資であるならば、
それはマイナス評価にせざるを得ませんね・・・。

増資に限らず、自社株買い、増配、減配、優待拡充などもそうだと思いますが、
それそのもので「良い」「悪い」と言えるようなものではなく、
どういう目的をもってその施策を行ったのか、というところがポイントですね。

そこを見る眼を、私たち株主としては鍛えてゆきたいところです。
  • 2015-04-13 | 09:59 |
  • ゆうゆー | URL |
  • [edit]
Re: タイトルなし
リプロさん、こんにちは。

私の言う「市場評価」とは、簡単に言えば株価のことです。
その発表があった時に株価が下がるのであれば、市場評価は×だということです。

もちろん、中には増資を良いこととして捉える人もいるのは分かっていますが、
全体として株価が下がれば、市場平均としてはマイナス評価というわけで、
「×」という表記にしています。

増資の発表で株価が上がるケースは極めて稀で、ほとんどは下がりますから、
市場評価は×と書かせていただきました。

債務超過の企業は確かに配当はできませんね。
例えば、債務超過とまではいかなくとも、
業績は右肩下がりなのに配当は右肩上がり、なんて企業があったとしたら、
それは私の中では「×」評価となります。
ただ、そんな企業もかなり稀でしょうから、
「まれに×」なんて文言をあえて入れる必要は無かったかもしれませんね(笑)
  • 2015-04-13 | 09:59 |
  • ゆうゆー | URL |
  • [edit]
Re: しるし
RoSさん、こんにちは。

確かに、これは投資手法や立場によって意見が変わるものですよね。
自社株買い△、増配△というRoSさんのご意見の中で、
「そんなお金があるなら、その分を成長に回してほしい」というのは、
私もとてもよく思うことです。

特に、エスクリでそれを思います(笑)
まだ自己資本が盤石ではないのだから、今は無理して配当しなくても、
成長に回すか、財務の安全性確保のためにとっておいても良いと思います。

逆に、ALサービスのように「営業CF>>投資CF」となるような企業では、
余ったお金を、配当か自社株買いで株主に還元して欲しいとも思います。
(そんなALサービスが昨年、増資をしたわけですからそれは疑問ですよね・・・)

これからも、適度なペースでのんびり続けてゆきますね。
お気遣いありがとうございます。
  • 2015-04-13 | 09:59 |
  • ゆうゆー | URL |
  • [edit]

コメントを残す


 ※コメントは300文字以内でお願いします。0文字/300文字


プロフィール

Author:ゆうゆー
テニスと株式投資を愛する個人投資家です。
株で稼いで、テニスコートを造るぞ~!

最新記事

最新コメント

  • ゆうゆー ≫ ブログを休止して感じたこと(休止中記事)
  • sun ≫ ブログを休止して感じたこと(休止中記事)
  • ゆうゆー ≫ ブログを休止して感じたこと(休止中記事)
  • マサ ≫ ブログを休止して感じたこと(休止中記事)
  • ゆうゆー ≫ たまには近況報告(休止中記事)
  • ゆうゆー ≫ ブログを休止して感じたこと(休止中記事)
  • ゆうゆー ≫ ブログを休止して感じたこと(休止中記事)
  • つつみ ≫ たまには近況報告(休止中記事)

投資パフォーマンス

■ 初期資産:100.0 万円
■ 現行資産:275.2 万円
■ 運用日数:1294 日(3年6ヶ月)
※ 2016.10.29 更新
年度 ゆうゆー TOPIX
 2013年(4/15~) +30.8 % +14.4 %
 2014年 +80.1 % +8.1 %
 2015年 +29.8 % +9.9 %
 2016年(~10/29) -10.0 % -10.0 %
トータルリターン +175.2 % +12.3 %
平均年利 33.0 % 5.9 %
上記は、ブログ公開用のサブ口座の運用記録です。
メイン口座の方は非公開とさせていただきます。
手数料、税金、配当、優待等は加味していません。

リンク(RSS)

広告
※ 相互リンクについては、こちらをご一読ください。