テクニカルを無視することの優位性

こんにちは、ゆうゆーです。

私はご存じの通り、投資手法の中にテクニカル分析を一切取り入れず、ファンダメンタル分析のみを根拠として売買しています。

こういうやり方でも、そのファンダメンタル分析さえ的確なものであれば、それは有効性のある投資になることは間違いありませんし、今さらそれを疑う方もいないでしょう。

ちなみに、私はテクニカル投資を全否定しているわけではありません。
(昔は全否定していましたが・・・)
テクニカルを有効に活用し、それで利益を得ることは可能だと思っていますし、実際にそれで利益を得ている人もいますからね。

とはいえ、私にとってはテクニカル投資よりもファンダメンタル投資の方が遥かに適正があると思っているから、ファンダに徹しているだけなんですね。

ただ、基本はファンダを重視するとしても、テクニカルだって有効性がある以上、テクニカルもある程度考慮に入れた方がパフォーマンスは上がるのではないか? という疑問を持たれる方もおられると思います。

これに関しては、私は そんな単純なものではない と思っています。

どういうことかと言うと、ファンダのみの手法にテクニカルを取り入れることで、ファンダの効力が下がってしまうということです。
何を言っているか分からないと思いますので、今からこれを説明します。

当たり前ですが、ファンダ分析をするだけではパフォーマンスに繋がらず、その分析の結果に従って株を買うことで、初めてパフォーマンスに繋がります。

しかし、テクニカルを投資手法に取り入れてしまうと、「ファンダが良いのにテクニカルが悪い」というパターンの場合に、その銘柄の購入は見過ごさなければならない、ということになってしまいます。

これは、明らかに投資機会の減少に繋がってしまいますので、テクニカルに拘らなければ取れたはずの上昇を逃してしまう原因になる、というわけです。

株価の上昇が、全て何らかのテクニカルのサイン、それも、自分が見つけられるようなレベルのサインを発しているのなら別ですが、実際はそんなはずはありませんので、上昇を取り逃すリスクは常に存在します。

実際、2年前のヒトコムや今年2月のFPGのように、何かをきっかけにいきなりストップ高連発で株価が上昇したっきり落ちてこない、という上がり方だってあるわけですからね。
これを、テクニカルを根拠に売買している人が確実にモノにできるでしょうか?

一方、テクニカルについては完全無視を決め込み、ファンダメンタルのみを根拠にして投資対象を絞り込んだ場合、そのファンダメンタルが崩れない限りは売却もしないわけですから、いつ、どのような形で来るか分からない上昇を100%確実にモノにできるのです。
もちろん、そのファンダメンタル分析が妥当なものであるという条件は付きますが・・・。

株価は、長期的にはその企業の業績に連動してゆきます。
成長株においては、企業業績の成長に追随して株価も成長してゆくはずであり、それを狙っているのが私の投資手法です。

そして、この成長の恩恵を確実にモノにするためには、株価がそれを織り込むまで売らずに持ち続けるしか方法がないのです。この確実さが、テクニカルを無視することの優位性とは言えないでしょうか?

「チャートが悪くなったら一旦売り、また上がりそうになったら買い戻す」というやり方で、期待値が上がるか下がるかは分かりませんが、少なくとも成長の恩恵を得られる「確実さ」は消えてなくなってしまいます。

また、絶対に期待値が上がるというのならば、確実性を捨ててでもテクニカルを取り入れる価値はあると思っていますが、「ある銘柄の上昇を取り逃すリスクよりも、その銘柄の一時的な下落や停滞を避けられるリターンの方が大きい」などと、どう説明されれば自分が心から納得できるのか全く想像もつきません。

仮に、テクニカルを取り入れようと取り入れまいと期待値が変わらないならば、確実にその期待値通りの結果が得られる方を私なら選びます。
これが、私がテクニカルを完全無視している理由です。
もしも株と銀行預金の期待リターンが同じなら誰も株を選ばないと思いますが、それと同じことです。

尚、冒頭でも述べた通り、私はテクニカル派を否定するつもりは全くありません。
テクニカルを根拠にした売買とは、いわば人間心理を利用した売買であり、人間がロボットではない以上、こういうやり方で利益を得る人がいるのも十分に納得できる話です。

ただ、100%ファンダ派の人がテクニカルを取り入れるようにしたからといって、必ずしもパフォーマンスが上がるわけではない、ということを言いたいんですね。仮にそのテクニカルに一定の有効性があったとしても、です。

個人的には、テクニカルで売買するのなら下手にファンダメンタルなんて見ず、テクニカルのみに徹した方が良い結果を生みそうな気もしていますが・・・。

コメント

テクニカル
ゆうゆーさん、こんばんわ。

ゆうゆーさんに触発され、ファンダ派になった者です(笑)
でもチャートみるのは楽しくて、未だにチャートで遊びたくなります。
そんなときはヤフーとか安い株を1単元だけ買って、遊びます。
案外それで発作は治まります。

ファンダ派の唯一の弱点は暇になって、新しい銘柄を買ってしまいそうになることかもしれません。
ただ今のほうが自分にはしっくりくるようで、長期間保有しても苦にならなくなりました。
自信がついた、と思いたいです(笑)
こんばんは
ゆうゆーさん

こんばんは。古くて新しくて、また、難しい問題ですね(笑)

恐らくファンダ(バフェット)でもテクニカル(雑誌などで見る人) でも、大金持ちになった人は両方いるのだと思います。

短期か長期か、どちらが多いか、性別はなど考えると切りがないのですが、、、
恐らく、向き不向きがあるののが大きいと思います。
向き不向きを見極めずに市場から退出した人も多いのかなと。

両方に共通しているのは『余裕資金で』だと思います。
ハイブリッド投資?
ゆうゆーさんこんばんは。

ファンダメンタル分析に自信があれば、ファンダメンタル分析以外の指標を使う必要は無いですよね。
どちらかに絶対的な自信があればむしろ邪魔になる気がします。

私はそこまで自信が無いので、ファンダメンタルとチャートのハイブリッドで投資をしています。
やり方はファンダメンタル分析で割安と判断した銘柄をまず半分購入します。
その後チャートが良くなったらもう半分を購入して仕込みを完了します。
最大のパフォーマンスは得られませんが、精神的に楽なためこの方法を続けています。

いつかファンダメンタル分析だけで買えるようになるのが目標です。
No title
ゆうゆーさん、こんばんは。
テクニカルというお話が出ていますし、
やはりこういう状況ですと、
あの問題に触れておきたいとおかねばならないだろうと思い、
質問をさせて頂きます。
ギリシャのデフォルトがいよいよ現実的になってきました。
5日の住民投票でユーロ圏離脱か、
緊縮財政を受け入れるかが決まる訳ですが、
勿論、ユーロ圏残留のシナリオはすでに相場は織り込んでいるでしょうから
大した影響は出ないという見方が大勢です。
ただユーロ圏離脱をギリシャ国民が選択した場合は
未だヨーロッパが経験した事がない危機に陥ると言われています。
今回がどうなるかはそれは来週以降にならなければ分かりませんし、
もっと長期的には数年経たなければ、どの程度の危機なのかは
明らかになりませんが、今回がもし歴史上の大転換点であるとしたら、
ゆうゆー投資法においてはポジションを外すのでしょうか?
それとも外さすにファンダメンタルのルールに従うのしょうか?
こういったタイムリーな状況でないとなかなか質問しづらいので、
この機会に質問させて頂きました。
宜しくお願いします。
優良レストラン
こんばんは。

確かに、ゆうゆーさんの勝率&利益率を達成できるテクニカル手法は見たことがないので、余計な不純物は入れないほうが良いかもしれません。

私は、自分で精度の高いファンダメンタル分析ができないので、主にテクニカル(直感)で売買しつつ、あっちへフラフラこっちへフラフラ、美味しそうなものを見つけては100%自己責任でツマミ食いさせてもらってます(笑)。

たまに毒入りのフグやキノコを食べて3日間ぐらい寝込みますが、少量しか食べないようにしているので今のところ死んでません。

このブログは、ご馳走をタダで食べさせてくれる優良レストランだと思っています。

万が一お腹をこわしても絶対に文句は言いませんので、どうか出入り禁止にだけはしないでくださいね♪
Re: テクニカル
すりぃさん、こんにちは。

投資をやっていると、時々いろんな発作が出ますよね。
そういう時は、増えても減ってもパフォーマンスに影響しないくらいの少額で
デイトレをしてみたり、届いた優待でタダで美味しいものを食べに行ったり、
そんなことで意外に発作が治まったりするかもしれませんね。

ファンダ中長期派は確かに暇ですね・・・。
特に、「ツイッターで呟くことが無い!」と実感することが多いです。
でも、本来の投資ってそういうものではないかと思います。
定期預金に入れたお金を毎日チェックする人もいないでしょうから(笑)
Re: こんばんは
としさん、こんにちは。

おっしゃるとおりだと思います。
早速、2ちゃんねるでピント外れな指摘をしている方もいるようですが、
テクニカル投資そのものを否定している記事では全くないんですけどね・・・。
テクニカルで利益を出せる人は、もちろんそれを続けてゆけばいいと思います。

私がテクニカルを全く勉強しないことに疑問を感じている方もいるようですが、
逆に、テクニカルのみで成功している人に対しても、
ファンダも勉強した方が、もっと成績は伸びるぞと助言するのでしょうかね・・・。
どういう根拠でそんなことが言えるのか、私には理解できません。

と、またこんなことを書いては炎上してしまいますね(笑)
まぁ、どうでもいいですが。
Re: ハイブリッド投資?
みやびさん、こんにちは。

みやびさんの説明を聞いて、ハイブリッドについて何となく納得しました。
考え方としては、分散投資みたいなものですね。
銘柄の分散ではなく、手法の分散という感じでしょうか。
テクニカルにもファンダにも、どちらにもそれなりの自信があれば、
こういう考え方もありですね。

いずれにせよ、テクニカル分とファンダ分を完全に分けて考えないと、
買った理由とは別の理由で売ってしまうことになってしまいますので、
その点は注意が必要かもしれませんね。
Re: No title
ユリウスさん、こんにちは。

私は、市場は短期的に起きそうなことは全てその可能性の分だけ織り込んでいる、
という考え方です。

ギリシャの問題ですと、仮にユーロ圏残留シナリオ80%、離脱シナリオ20%を
市場が見込んでいるとすれば、残留の場合は株価が少し上がり、
離脱の場合は、残留で上がった分の4倍下がると想定しています。
可能性(確率)を含めた期待値としては、どちらのシナリオでも同じはずです。

自分が、ギリシャの行方について市場よりも正確な判断を下すことは無理だと
考えていますので、これにより損失を避けようとか、
利益を得ようとして動くことはしないつもりです。

また、ギリシャがどう転ぼうとも、
自分の保有株の業績には大した影響はないだろう、と考えている節もあります。

自分で考えて出した判断なので、どういう結果になっても受け入れるつもりです。
仮にこの判断が失敗に終わったとしても、それはそれで勉強になるでしょうしね。
Re: 優良レストラン
G3さん、こんにちは。

G3さんのようなやり方が上手くいく人も、確かにいると思います。
G3さん自身がそうやって結果を残しているのでしょうしね。

私は、感性とか感覚といったものが、完全に人よりも劣っています。
芸術の才能も全くありません。
プレバトという、生け花や俳句の才能あり・なしを評価する番組がありますが、
私はあの番組を見るたびに、「自分はあそこで才能なしと判断された人よりも、
さらに酷い作品を仕上げる自信があるな~」と思えてくるほどです(笑)

話が逸れてしまいました。
私は私の独自理論で、好き勝手にブログに書いてるだけですので、
どうぞ今後とも好き勝手に利用していただければ幸いです。
No title
ゆうゆーさん、こんばんは。

テクニカルやファンダメンタル、
はたまた需給(テクニカルの一種?)の話は、
どれが優れているということではなく
、「どれが自分に合っているか」ですよね。
どちらかで争う必要もないと思うのですが、不思議ですね(笑)

テクニカルと言えば、最近まるのんさんも話に出しておられましたが、
エイジアが急騰しました。
しかし、その後に全部戻すのではないかと言う大下落っぷりです(汗)
私はファンダで買っているので目標PERがあり、
それには達していなかったので売らなかったのですが、
流石にこうなると「売っておけばよかったか・・・」
と言う考えが頭をよぎってしまいます。
でも、仕方ないんですよね。
私は過熱感やらで売買を判断してはいませんし、
株価がどう動くかなんて予測はできないし、
(「この下げを事前に読んで売っておくことなど不可能なのです。」ってやつですね)
自分のルールを守ってこうなったわけですから、
受け入れなければいけません。

中長期投資は本当に我慢、我慢ですね・・・;
いつか、自分の目標値に上がるまで、
ゆうゆーさんの記事を見ながら
http://yuyutoushi.blog.fc2.com/blog-entry-32.html
頑張って保有したいと思います。
20%どころか70%が0になりそうで、
しばらくはすごくイライラしそうですが(汗)
Re: No title
レイフォンさん、こんばんは。

エイジアのここ数日の「行って来い」は、本当に強烈ですね・・・。
自分がホルダーだったら、冷静に持っていられるか疑問を感じるレベルです。

明日からも、ボラが大きくなるんだろうな・・・とは何となく予想できますが、
それが上に行くのか下に行くのかは全く分からない以上、
どうすることもできないんですよね。

私の保有株のエニグモも、エイジアほどではありませんが、
ボラが大きくてヒヤヒヤの毎日です。
エニグモは先週からずっと「ある位置」に売り指値を置いており、
そこにかかるのが明日か、はたまた一年後かは分かりませんが、
とにかく自分が満足できるその指値にかかるまでは断固、持ち続ける覚悟です。

もちろん、PF全体の状況や成長見通しが変われば指値も変えますが、
その時の感覚に左右されて安易に指値を変えることだけは、絶対にしません。

また、懐かしい記事を思い出させていただき、ありがとうございます。
私自身も、自分の過去の記事を読み返して気持ちを納得させながら、
今後も忍耐力をさらに鍛えてゆきたいです。
No title
こんばんは、ゆうゆーさん。

レイフォンさんのコメントとゆうゆーさんのその後のレスに
ついて興味を持ちましたので、コメントさせて頂きました。

レイフォンさんのコメントにございましたが、
本当に我慢が全てといってもいいくらい、
我慢我慢の連続ですね。

私は今回たまたま目標株価に達したので、
処分したのですが、実はその裏では
私も値動きに動かされ、
高値から見れば早々に売却をしてしまった分もあれば、
なぜか目標株価を12%ほど上回っているにも拘らず、
なぜか100株だけ手元に残っていたりと、
どうも合理的な行動がとれていない点が反省点です。
この点は後で記事にしたいと思います。

ゆうゆーさんのエニグモで予め指値を置いておいて、
ファンダの目論見やPFの状況が変わらなければ、
指値はいじらないという姿勢はまさに私の求める
理想像です。
値動きで動かされている自分はまだまだだなと、
改めて今回のことで痛感しました。

すみません、独り言の感想のようなコメントで恐縮です。
Re: No title
まるのんさん、こんにちは。

昔はよく、板を見ながら指値をあれこれいじったりして遊んでいましたし、
今でもたまに「数円でも安く買えれば(高く売れれば)・・・」という浅ましさが
ふと芽生えてしまうことはありますが、
冷静に考えれば、無駄な労力以外の何でもないんですよね・・・。

というのは頭では分かっていながらも、つい値動きが気になってしまう。
不思議なものですよね(笑)

エイジアが目標株価に到達したことで売却に踏み切れたことは、
とても素晴らしいことだと思います。
あの値動きを見てしまうと、目標株価には到達していたとしても、
「まだまだ上がるのではないか?」と、普通は思ってしまうと思います。

そんな感情に打ち勝って、自己ルールを守って行動できるまるのんさんには、
敬意を表したいです。
もちろん、自己ルールを守ってホールドし続けられたレイフォンさんにも、
同じように敬意を表しています。

結果だけでは、成功とか失敗は判断できないと思います。
その行動に至ったプロセスを、これからも重視してゆきたいですね。

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