人に勝つという価値観では投資をやっていない

こんにちは、ゆうゆーです。

株式投資をしていて、特にブログやツイッターをやっておられる方にとっては、他人のパフォーマンスというのはとても気になるものですよね。
かくいう私も、ついつい個人投資家パフォーマンスランキングを見て、自分の順位を確認しては「いまいちだな~」なんて、つい考えてしまいます(笑)

ただ、これは投資に限らずスポーツなどでも言えることだと思いますが、他人をライバルと意識することで、モチベーションのアップにはなるでしょうが、具体的に何かを得られるということは少ないように思いますね。

自分には自分の才能があり、性格があり、適正があります。それは、当然ながら他人とは異なります。
野球でも、ミートが得意な選手、長打が売りの選手、走塁に長けている選手など、選手ごとに持ち味は全く違うはずです。

一番バッターが、同チームの四番バッターのホームラン数を気にすることほど馬鹿げたことはありません。

人に勝つという価値観では野球をやっていない。
【イチロー】


投資手法においても、既にたくさんの資産があって「年利3%でもいいので安全に運用したい」と考えている投資家が、年利30%を目指して超積極的に運用している投資家にライバル心を燃やすなど、むしろマイナス面しか無いように思います。

年利3%で運用したい。
結構な目標ではありませんか。
だって、このご時世、定期預金でも0.5%もつかないんですよ・・・。

死にもの狂いで投資の勉強をして、なおかつリスクも取って、年利30%を目指して運用している人と自分を比較する意味などありませんし、もしその積極投資家が急速に資産を増やす様子を目の当たりにしてしまえば、年利3%を目指している投資家は、自分を見失ってしまうかもしれません。

いつでも最大のライバルは、自分より高いパフォーマンスを上げる他人ではなく、それと比較してしまう 自分の心 なんですよね。


また、同じ比較でも、自分よりも下の人と比較するならば自信もつくでしょうが、人は必ず自分よりも上の人と比較してしまう習性があるようです。

自分、Aさん、Bさんという三人の投資家がいたとして、自分の最近の成績はAさんよりは上、Bさんよりは下という位置だった場合、おそらく多くの人は自分とBさんを比較してしまい、自分の成績の振るわなさにストレスを感じてしまうのではないでしょうか?

これがしばらくして、自分の成績は変わらず、Aさんがグングンと成績を伸ばし、一方のBさんが落ち込んできた結果、自分の成績がBさんよりは上、Aさんよりは下という関係に変わったとします。

こうなれば、今度はBさんではなくAさんの成績が気になり始め、イライラを募らせてしまうことになるでしょう。第三者が、「あなたより成績が悪い人もたくさん居ますよ」と言ったところで、おそらく効き目は薄いでしょう。

いずれにせよ、赤の他人の成績と自分の成績を比較することは、イライラばかりを募らせてしまう負の世界に自ら飛び込んでいるようなものだと認識しておく必要があるかもしれませんね。

「こうすればおそらく、そこそこの成績は残せるんだろうな・・・」という方法を、既に持っている方も多いと思います。
ただ、せっかくのその良い方法も他人との比較では物足りなく映ってしまい、特に使う機会もなく、時間ばかりが過ぎてゆくわけです。

成功ストーリーが既に目の前にあるのに、自らの意思で軌道から外れてしまい、あまりよく分かっていないが何となく今よりも大儲けできそうな案件の方に、ついフラフラっと行ってしまうんですよね・・・。

それが上手くいっている時はいいですが、上手くいかなくなった途端、自分を見失ってしまうことになるのは想像に難くありません。
一方、自分が理解していることであれば、上手くいっている時も、上手くいっていない時も、自分を見失ったりはしません。

投資に、焦りは最大の敵です。
誰かと比較して、自分の資産増加のペースが少しばかり遅かったとしても、それは多くの場合は複利効果が、つまり時間が解決してくれることですしね。

早くお金を儲けようなどと思わず、できるだけ確実に儲けようと思うことです。そうすることが、結局はその人にとって、最も早くお金を儲けられることにつながるのですからね。

他人がどんな方法で、どれだけ素晴らしいパフォーマンスを発揮していようとも、常に自分の理解できる範疇の投資を、他人には及ばずとも淡々と繰り返し、自分の中では合格点と言えるパフォーマンスを淡々と残してゆく。

そんな投資家こそ、本物の投資家だと私は思っていますし、短期投資家・長期投資家問わず最終的に大きな結果を残しているのは、そんな信念を持った投資家ばかりではないでしょうか?

コメント

No title
ゆうゆーさん、こんにちは。

今回の記事は私にはタイムリーな記事でした。
人と比べるというのは、今でこそ改善はしたものの、
やはり多かれ少なかれそういう思考になってしまいます。
これは人間なので私は仕方ないと割り切るようになりました。

ただ、このことにより、
自分の本来のスタンスでないことをやらないように、
そこだけは最大限の留意を持っていくようにしています。
これにより、最悪な事態は避けられると考えています。

このことに関連して、では自分の今のパフォーマンスは、
自分のスタンス上、適正なのかを常に配慮するようにしています。

私は年利15%目標ですが、
20%を超えてきているわけで、
更に上を見れば多くの優秀な投資家の方がおられますが、
私が目指すべき姿勢は、
その方々ではなく、
今の自分のPFや日々のやり方が、
自分のスタンスにおいて適正に運用されているのかということに
注視をすることだと思っています。
無用なリスクを取っていないか、
投機的な手法になっていないか、
パフォーマンスが優れている方に感化されていないか、
そういう視点で常に他者と比較する視点ではなく、
自分自身を精査する視点が必要だと感じています。

そういう考えを改めてきちんと認識出来るような記事で、
大変参考になりました。ありがとうございます。
耳が痛いお話です
ゆうゆーさんこんばんは。

とても耳が痛いお話です。

ネットの世界は有用な情報が素早く入ってくる反面、あまり入れないほうが良い情報もたくさん入ってきます。

心して使わないとダメですね。
Re: No title
まるのんさん、こんばんは。

他の投資家さんのパフォーマンスというのは、
景気の浮き沈みや、大口の買い意欲といった需給要因もこれと同じく、
自分では制御できない要因の一つですね。

こういった、自分では制御できない要因をいかに無視し、
自分で制御できる部分のみに注力するということが、
ファンダメンタル投資では重要になってきますね。

ハイパフォーマンスを残している方にも、いろいろいます。
企業分析力がとても優れている方、テクニカルを読む力がとても優れている方、
あるいは、ただ運が良かっただけの方など。。。

いずれにせよ、自分は自分の能力の範囲内のことしかできないわけですから、
他人の高いパフォーマンスは、たとえそれが実力から来ているものであれ、
気にすることに意味はないですね。

まるのんさんは既に十分守れている考え方だと思いますが、
私も記事を書きながら、改めて気をつけなければならないと思いました。
Re: 耳が痛いお話です
みやびさん、こんばんは。

おっしゃる通り、ツイッターにしてもブログにしても、
参考になる情報、悪影響を及ぼしそうな情報などが混在しており、
結局は自分の信念次第なんだと思いますね。
No title
お疲れ様です。
私も自分のパフォーマンスと他人のパフォーマンス(日経平均、TOPIX含む)を比較してしまいますね。
上回れば嬉しいですし、下回れば悔しいです。
比較したからといって自分の銘柄の業績が上向く訳でもなく、比較すること自体が無意味と言われればその通りかもしれません。

ただ、人と比較してしまうのは、向上心の表れとも取れると思います。
自分と他人を比較して、そのリスクの取り方、想定している期待値、様々な視点や考え方で自分には無いものが見えてくるときがあります。
そういった他人の投資行動によって学ぶところ(自身の改善点など)ががあれば貪欲に学ぶべきだと思いますが
ただ単純なパフォーマンスの数字のみに目を取られて無駄なリスクとストレスばかりを得ていては、得られる利益も得られなくなってしまうと考えられます。
特に自分を見失っているときは、焦りと恐怖と強欲に支配されがちになりますね・・・。

私もゆうゆーさんのように、どんなときでも冷静に判断し、適切な投資行動を心がけていきたいと思います。
No title
ゆうゆーさん、こんばんは。
他人のパフォーマンスと比べてしまう事は私もよくあります。
ただそれ以上に自らの企業の成長ストーリーの見誤りの多さや
優良銘柄を見つけられる確率が他の人より少ない事に
自らの苛立ちを感じております。
他の方のブログや投資本を読んでファンダメンタルの知識や再現性を
高める努力はしているのですが、きっと勉強不足なんでしょうね。
もしかしたらこういう事を比べてる時点で間違っているのかもしれません。
Re: No title
遅咲きの桜さん、こんにちは。

おっしゃる通り、向上心を持っていることも大切な要素の一つですから、
その向上が、何か目に見える形で表れればいいんですけどね。
そういう意味では、他人ではなく過去の自分と比べるのが良いかもしれません。

とは言っても、パフォーマンスは相場環境にも大きく左右されますから、
この一年のパフォーマンスが前年よりも良かったからといって、
前年よりも上達したと言えるわけでもないところが、難しいところですよね。

これは、私の趣味であるテニスでも言えることなのですが、
果たして過去の自分よりも上達しているのだろうか・・・とよく考えます。
試合結果が伸びたからといっても、それはドロー運なども絡んできますし、
なかなか目に見えて分かりづらい部分でもあるんですよね。

まぁ、そんなこんなで自分の成長に確信は持てないまでも、
貪欲に、真面目に投資を勉強してゆくというプロセスを怠らなければ、
何年か経った時に、明らかな成長が実感できる日が来るかもしれませんね。
Re: No title
ユリウスさん、こんにちは。

世の中、どの分野でも才能あふれる凄い人間がいるのは事実ですよね。
自分がどれだけ一生懸命努力しても、その人には適わないかもしれません。
でも、それはそれでいいと思っています。

価値観をどこに見出すかは、人それぞれですからね。
他の人から見れば劣っていようとも、過去の自分より進歩しているのならば、
それはその人にとってとても価値のあることだと思っています。
投資に限らず、勉強だって、テニスだって同じですね。

そういう意味を込めて、「人に勝つという価値観では投資をやっていない」という
タイトルをつけています。

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