四半期決算分析(KeePer技研 H27.4Q)

こんにちは、ゆうゆーです。

昨日の場中に、KeePer技研の本決算の発表がありましたので、それを振り返っておきたいと思います。

尚、発表後の株価は少しだけ上昇したようですが、これは決算よりも、同時に発表された株式分割が好感されて上がったという気がします。
本当に世の投資家たちはこういう分かりやすい材料、好きなんですねぇ。。。

株式分割は私にとってはどうでもよいことなので、決算の内容を見てゆきます。
私の第一印象としては「イマイチ」というものでした。orz

正直、もう少し4Qの利益は上がると思っていました。
というのも、この会社は詳細な月次売上を公表してくださっていますので(まぁ、月次はあくまでKeePerラボのみの数値ではありますが・・・)、それを見る限り、閑散期の3Qよりは明らかに売上が上がっていたからです。

4Qの売上は確かに、年間の平均値くらいは上がっているようですが、なぜ利益率がこんなにも低くなっているのでしょうか?

その答えは、決算説明資料の18ページ目に分かりやすく書かれていました。

371.png
KeePer技研 2015年6月期 決算説明資料より)

いやー、この資料の18ページは秀逸 です!!

ここまで親切丁寧に四半期毎の売上・利益構造を公開してくれる企業が、他にどれだけあるでしょうか?
私のような、四半期決算の数字だけ見て不安になる投資家(汗・・・)のために、わざわざこの資料を作っていただいたようにしか思えません。

売上・利益に季節変動があるというのは、リスクといえばリスクなのでしょうが、ここまで詳細に情報開示してくれる以上、もはやリスクとは言えないですね。

4Qの売上は通常どおり上がっていたものの、利益が私の予想に届かなかったのは、利幅を削って安売りしたせいでも、社員にガリガリ君を配り過ぎたせいでもなく、この会社は毎年、4Qに広告宣伝を打つという戦略を取っており、それに従って広告宣伝費を計上したからだったことが、明確に分かります。

その辺の事情を私が知らず、勝手に強気すぎる予想を立てていただけでした。会社としては、この利益は全く予想通りだったことと思います。


また、今期予想は営業利益ベースで+15%、純利益ベースでは+9%ということで、この会社に20%成長を期待している私としては、若干物足りない予想に映ります。

ただ、これも決算説明資料25~27ページを見てみれば、この予想の根拠が明確に理解できますね。
キーパーLABOの出店が、前期の6店に対し今期は12店の出店予定ということで、初期費用が大きく嵩むわけです。

「新店の本格的な利益貢献は、2年目から」であることも、27ページの文面からにおわせていますよね。

一時的な費用は増えたとしても、キーパーLABO事業そのものが揺るがない限り、店舗の数に比例して売上・利益も伸びてゆくというのが成長ストーリーですから、店舗数が20%成長している限り、売上や利益も20%成長、さらに言えば、規模の利益によるコスト圧縮でそれ以上の成長も期待できますね。

もうひとつ気になるのが「キーパー製品等関連事業」の方の伸び率ですが、これまた決算説明資料27ページが参考になります。
「予想を十分に上回る可能性はあるものの、万全を期して5.4%の伸び率」としているようですから、期待値はもっと高いと踏んでも良いでしょう。

また、決算説明資料31ページを見れば分かるように、キーパーLABOとキーパープロショップは共存関係にあるようですから、キーパーLABOの成長がキーパープロショップへの来客数の増加に繋がり、ひいては製品販売量の増加(=成長)を後押ししてくれることが期待できますね。

以上より、今期こそ20%成長には届かないかもしれませんが、「今後3~5年というスパンでの20%成長は可能」という見通しは維持します。


今期の初月である7月の月次も好調のようですし、8月に入ってからも、とても忙しい様子が社長ブログからも伝わってきます。
(8/11の記事では、決算発表のことについても言及されていますね)
暑い夏は社員さんも大変でしょうが、今後とも応援してゆきたいです。

ついでにもう一つ、谷社長の考え方がとても素晴らしくて共感できます。
社長ブログを読むのも、もう日課になってしまいました。経営者の姿勢としても見習ってゆきたいなぁ・・・と、密かに思っています(笑)

コメント

No title
ゆうゆーさん、こんにちは。

自分もKeePerの決算を見て一瞬「イマイチか?」と思ったのですが、
決算説明書を見ていくにつれて納得しました。

KeePerプロショップ事業の予想伸び率5.4%はかなり保守的です。
現時点において登録数は前期末のプロショップ数4465店から
4586店と2.7%増加しています。(※プロショップHPで毎日開示)

わずかではありますが、前期予想が売上未達だったので
保守的に組んだのかもしれませんね。

ラボを現在の37店舗から2018年までに109店舗にする計画には驚きました。

経営指標の経常利益率10%以上を保ちながら、
これだけの急拡大をやってのけるのは大変だとは思いますが
計画通り実行してほしいものです。

あと株式分割ですが、ブランディングを意識している企業なので
東証一部の金看板は確実に欲しいところだと思います。
流動性の向上もありますが、株主数の増加も意図していると私は思いました。
Re: No title
まりもさん、こんにちは。

なるほど、KeePerプロショップの数を随時追っておられるんですね。
前期末から今までの1ヶ月半で2.7%増ということは、
単純にこのペースが続けば、年間で21.6%増という素晴らしいペースです。

仮に店舗数の伸びほどには売上高が伸びなかったとしても、
プロショップ事業の予想伸び率5.4%は、かなり保守的な数字と言えそうですね。

感覚に頼らず、保守的と言える根拠をこうやって持っておくことで、
自信を持って上方修正を期待し、ホールドできそうです。

ラボの方は、かなりの積極戦略ですよね。
今後は徐々に、プロショップよりもラボに軸足を移してゆく方針かもしれません。
こちらの方が成長余力がありそうなので、この方針は私は賛成です。

もちろん、プロショップとラボには相乗効果があるようですので、
どちらかが育つことで、もう一方にも波及するのだと思いますが・・・。

分割はおっしゃる通り、東証一部上場を狙っているのかもしれませんね。
こちらの方は、オマケ程度に期待しておきます(笑)
No title
ゆうゆーさん、こんにちは

keeper技研の決算説明資料は月次同様非常に丁寧でわかりやすいですね!ホルダーではありませんが3年後の売上、利益等々予測してみました。
今の株価から考えると、、うーん、やはり割安さの是正分がもう少し欲しい…監視銘柄変わらずです。
成長性を保守的に見ている部分もありますが、今後もフォロー続けていきたいと思います。
個人的には不合理な下落を希望しますが 笑

やはりこのようにわかりやすい銘柄をきちんと分析しておくことで
下落時の握力を保つことができるんでしょうね。

エスクリの記事の方に書かせて頂こうかとも思ったのですが、、
ウィルグループはストップ高以降下落の毎日です。
出来高も少なく流動性も悪いので参加者が代わるとこうなるのですかね、、、
例えば決算を受けて5%up→よこよこ と
ストップ高→下落→結果5%up
では精神的ダメージがあまりにも違います 笑
No title
横レスで恐縮です。
KeePer技研の3年後の業績予想について書かせてもらいます。

ご承知の通り、キーパーラボは今後16年12店→17年24店→18年36店
と出店攻勢に転じます。
15年度のラボのセグメント利益は31→37店と増加率19.3%で減益でした。
減益になった最大の要因は下半期に出店が集中したことです。
キーパーラボは軌道に乗るまでに最低半年かかるので、
15年度の新店は決算期までに利益に貢献しませんでした。
今後の出店は期中初期にもあるでしょうから
出店を増やしたから必ず利益が出ないとも言えませんが、
16年の増加率は32.4%、17年の増加率は48.9%と尻上がりに
出店スピードが加速する計画なので利益が売上についてこない懸念は否めません。


18年度時点で、
ラボ事業は売上60億(3倍)、営業利益は3億(2倍)程度なのではないかと。

しかし、出店攻勢が一服して投資を少なくすると突然大増益になる構造で
あることは他の投資家もわかっていますから、計画通りに出店が進めば
将来の大増益を織り込んで買ってくると思います。

一方、キーパープロショップ事業は投資をあまり必要としないので損益分岐点が低いドル箱事業です。
前期は317百万円増収で267百万円増益です。
プロショップ数は一貫して増加傾向にあり、KeePerブランドもこれから先ますます浸透するでしょうから、爆発的な増収はないものの、
この部門が減収になるということはまず考えられません。

18年の時点で、
売上は50億円(30%増)、営業利益10億円(104%増)程度を予想します。

両事業を合計すると、18年度時点で売上110億円、営業利益13億円。
これだと会社計画の経常利益率10%以上も達成できますね。
現状の時価総額は88億円ですから、相応の株価で確かに割安ではありません。
しかし、3年後ではなくもっと先を見据えるのならば割安であると思います。

現在の投資ブロガーは保有期間半年から1年程度のモメンタム中期投資家が
多いので、KeePer技研は推してくる人が少ないでしょうね。

Re: No title
beyanさん、こんにちは。

KeePer技研は、私も機会があればもう少し買い増したいと思っている一方、
確かに今のPERでは少し躊躇してしまいますね。

不合理な下落は、下がったら買いたい銘柄リストを作ってある人にとっては、
絶好の投資機会ですからね。
KeePer技研でそれが起きるのは少々複雑ですが(笑)、
シュッピンやトレファクなどで、それが来るのを私も待っています。

なんて考えていると、いつまでも来ないものなのでしょう・・・。
まぁその時はその時で、縁が無かったと諦めるしかないですね。
ただ、いざという時に動けるよう、事前にしっかりとフォローしておき、
分析しておくことが大事ですね。

最近は決算シーズンということもあり、荒い値動きが続いていますが、
メンタルだけは荒くならないように気をつけたいものです(汗)
Re: No title
まりもさん、こんにちは。

まりもさんはよく分析されておられますね。
論理的な根拠に基づいた見通しで、とても納得できます。

キーパーラボ事業に関して、会社計画の通りのペースで出店したとしたら、
おっしゃる通り利益面では苦しいですね・・・。

個人的には、特に競合がいるわけでもない以上、
減益を覚悟してまでここまで急いで出店してほしくない気持ちもあるのですが、
きっと社長なりの深い考えがあってのことなのでしょう。
新規出店が、キーパーラボ事業のみならずキーパープロショップ事業に対しても
大きく貢献することも、視野に入れてのことかもしれません。

一方のキーパープロショップは、確かにドル箱事業と言えそうです。
売上の伸びに対し、販管費の方はほとんど伸びることがないという状況が、
決算資料からも読み取れますしね。

ここからは私の想像ですが、
「当社の今の事業ウェイトは『キーパープロショップ > キーパーラボ』であり、
 プロショップの利益の伸びが、ラボのマイナスを補って余りあると考えている」
「ならば、キーパープロショップの事業に専念すれば良さそうなものだが、
 こちらは成長余地があまり残っておらず、いつまでも頼ることはできないため、
 今のうちにキーパーラボのウェイトを高めておきたい」
こんなところではないかと思っています。

上場後の実績もまだ浅いので、もう少し長く保有してフォローを続けていれば、
さらに詳しいことが分かってくるかもしれませんね。
No title
ゆうゆーさん、まりもさん こんばんは。
(横レスへの返信がマナー違反であれば以後注意しますので御手数ですがご注意をお願い致します)

私は売上を以下によように見積もりました
計算過程は省いてしまいますが、、、
キーパーラボ事業50億
プロショップ事業55億
利益に関しては個別に算出しておらず、営業利益率11%と仮定し、合わせて約11.6億を想定しています。
3年後なのでここにマージンのための係数を掛けて検討を行いました。

私の結論は、keeperへの投資は良いであろうビジネスを妥当な価格で買うことになるのかな?という印象です。ハードルの高さは70〜80センチくらいでしょうか?まぁ、正しくハードルの高さを見極めるスキルがないことは十分に理解しているつもりではありますが 笑

私もモメンタム中期投資家でかつネギを背負った新米ですので、せめて自分の目くらいには30〜40センチに見えるハードルにチャレンジしようと心掛けております。
3年後より先を見据えた際にはまりもさんの仰るように割安な気もします。やはりメンタルの問題ですかね、、、
なんにせよ、フォローは続けて行きたいと思っておりますのでお二人の非常に説得力のあるご意見を今後も参考にさせて頂きます。
Re: No title
beyanさん、こんにちは。

時価総額と利益を比較して割安さを計算する、という方もおられるでしょうが、
私はPERを見る方が馴染みがありますので、これで判断しています。

KeePer技研の今の予想PER(会社予想ではなく、ゆうゆー予想)は、18.7倍です。
そして、このPERが割安か割高かということですが、
ここでこの会社の成長率が問題になってきます。

beyanさんの、3年後に営業利益11.6億という想定ですと、
この3年間の成長率は21.5%ということになりますので、
21.5%成長の株がPER18.7倍で売られていれば、私ならこれは「買い」です。

ただ、3年後なので「安全を見て」ということであれば、
そこまで魅力的にも映らないかもしれませんね。

月並みですが、現状は打診買い程度に留めておき、
成長に自信が持てたり、株価がもっと下がれば買い増すという手も一つです。
私自身、超主力にするほどの自信はまだ無いのが正直なところです。

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