未熟者は分散すべし

こんにちは、ゆうゆーです。

いつまでこの話題で引っ張るんだという感じですが、先日のエスクリの「大幅下方修正→連続ストップ安」のコンボからは、高い授業料を払っていろいろなことを学ばせていただいております。

エスクリという企業の分析に関してももちろん反省点はたくさんありますが、それとは別にポジションの取り方についても良くなかったと反省しています。
結論から言えば、自信度の割にポジションサイズが大き過ぎたと考えています。


エスクリで自分の見通しと異なる決算が発表されたことは、ある意味仕方ないと思っています。もちろん、いつもいつもこんなことばかりではダメでしょうが、自分の今までの成功率/失敗率を振り返れば、まぁ満足はしています。

仮に今回の私のエスクリに対する見通しの甘さについて指摘してくる方がいたとしても、その方も別の機会に別の銘柄でしっかり失敗していることは分かっていますから、特に自分だけがダメだったという風には考えていません。
こういう事態そのものは、誰にでも起こりうることです。もちろんみなさまにも(笑)


話が逸れましたが、エスクリの前にはシュッピンという銘柄でも下方修正を受けてストップ安近い暴落を喰らっています。ただ、その時はシュッピンの保有比率は全体の4%程度と大したことはなかったため、パフォーマンスへの影響は限定的でした。

しかし、今回のエスクリでは全体の20%近くも保有していたため、しかもシュッピンの2倍以上の大暴落でもあり、それはそれはパフォーマンスへの影響も甚大でした。
当然メンタルへの影響も、シュッピンの時とは比べものになりませんでした。

もちろん、本当にエスクリという企業をよく知っているという自負があり、今後の復活に自信を持っている投資家でしたら、何てことはない、強い信念を持ってホールドし続ければよいだけです。
でも、普通の人はなかなかそこまでの領域に辿り着けるものではありませんよね。少なくとも私は、エスクリについてそこまでの大きな自信を持っているわけではありません。

バフェット先生は、このようなことをおっしゃっております。

分散は無知に対するリスク回避だ。
【ウォーレン・バフェット】


的を得た表現ですね。
例えば、エスクリ以外でも私はKeePer技研という企業には年率20%程度の成長を見込んでいますが、これが絶対確実なのであれば他の銘柄への分散など必要ありません。KeePer技研という1社に集中投資していれば大金持ちです。

でも、この自分の想定が絶対に正しいという自信など持っていませんし、これからも持つことはないだろうと思っています。

そもそも、ある企業について「無知」か「知っている」かというのは、白か黒かでハッキリと割り切れるものではなく、実際は「少し知っている」「かなり知っている」などといったグレーの濃さで分類するものだと思っており、自分もそのような評価を保有銘柄に対して行っています。
自信度70%の銘柄、自信度80%の銘柄、といった感じですね。

各銘柄に対する自信度の大きさと、その銘柄の保有比率を比例させるように分散させるというのが、私の目指すポートフォリオ管理の方法です。
尚、ここで言う自信度というのは単にその企業の今後の成長見通しに対してのものだけではなく、株価の割安さを含めてのものです。要はリターンに対する自信度です。

その上で、「どんなに自信のある銘柄であっても、一つの銘柄だけで全体の30%を超えてはならない」というマイルールも自分に課しています。
仮に自分では100%近い自信があると思っていても、それが正しいという保証はどこにもなく、一銘柄に集中投資しないというのはその為の保険でもあるからです。

また、この保有比率30%という数字も私にとっては相当高いもので、ほぼ100%近い自信がない限り30%も持ってはいけないということでもあります。
具体的に言えば、PER7倍のALサービスくらいの自信がないとダメなレベルです(笑)


そんなことを考えながら先週末の自分のポートフォリオを見てみると、第一位のフジコーポが実に保有比率26%を占めているんですね。あと一単元増やすと上限を超えてしまうような、相当高い比率です。
では、今のPER10倍のフジコーポにPER7倍のALサービス並の自信があるのか?と聞かれると、到底そこまでの自信は持っていなんですよね・・・。

もちろん自信はありますよ。今の保有銘柄の中では一番自信があると言えます。そうでないと、ポートフォリオ一位にしているのはおかしいですから。
ただ、他を大きく突き放せるほどの圧倒的な自信があるかと聞かれた時に、首を捻ってしまうということです。
これは当時ポートフォリオ第二位で、20%も保有していたエスクリにも全く同じことが言えます。

そして、「気付いた時点ですぐ行動に」ということで、昨日はフジコーポを一部売却し、その保有比率を20%程度まで落としました。
そのフジコーポの株価はだらだらと下がり続けており、ここに来てようやく下げ止まった感じにも見え、かなり悪いタイミングでの売却のようにも思えますが、これも授業料だと割り切るしかありません。

それでもまだポートフォリオ第一位ですが、これで大分肩の荷が降りた気がします。この判断は、メンタル面でも良い影響を及ぼしてくれるんじゃないかと思っています。


私はまだまだ未熟者で、よく失敗します。未熟者は分散すべし、です。
一銘柄で30%も保有するのは、もっと分析力が向上し、経験も積んでからで十分です。上手くいった時のリターンこそ落ちますが、それよりもまずは安全・健全な運用ですね。

ちなみに今回の一部売却は完全に自分自身の問題であり、フジコーポの成長見通しが悪くなったとかそういう話ではないことを付け加えておきます。

コメント

フラグを
ゆうゆーさん、フラグを立てないでくださいね(笑)

>こういう事態そのものは、誰にでも起こりうることです。もちろんみなさまにも(笑)

前にアドバイスいただいたように、3社~5社くらいでバランスをとるようにしています。
決算書読んだり、内容記憶したりするのには、それくらいがちょうど良いようです。
分散投資は楽しく安全策ですが、爆発的な利益をとるのが難しいですね。
いつも真摯にご返答いただきありがとうございます。
エスクリについてですが、2/16日の記事で「今のところ、成長ストーリーが崩れたとまでは言えない」と書いてありましたが、2/19の記事で「前回の記事やいただいたコメント、他の投資家さんの意見なども踏まえて再度よく考えた結果、エスクリは完全撤退はしませんが保有比率を下げることにしました。」と書いてあり200株売られたとのことでした。この心境の変化の根拠について教えていただけないでしょうか?いつも明快なゆうゆーさんらしからぬ迷いのような印象を受けてしまいました。ゆうゆーさんの言われる成長ストーリーと言うのは1年業績が悪いことによって崩れてしまうものなのでしょうか?
No title
ゆうゆーさん、こんばんは。

私は少し前まで、上位銘柄のPF比率をゆうゆーさんとほぼ同等に合わせていたこともあって、記事にされている意味が分かるような気がします。(私も似たような結論に行き着いてます。)

・株価の変動以前に、フジコーポとエスクリの保有比率が高すぎた。
 将来の伸びに自信があったからだが、欲が出て保有しすぎてしまった。(結局、2銘柄ともリスクのほうが目立つ格好に)

・実は今のエスクリは買い時と思っている。上がる可能性が高い上に、失敗しても下落幅はしれているので。ただ、さらにエスクリの比率を上げるより、分散させたほうが確実な上昇が期待できそう。

・・・という感じでしょうか。
No title
ゆうゆーさん、こんばんは

最近ゆうゆーさんのブログを最初から全て読みましたw
そこで一つずっと疑問で中々しっくりきてないのですが、割安圏で購入した際に思った通りに株価が上昇し、割安でもなく割高でもない価格になっている状態があると思います。多分ゆうゆーさんでいう適正価格圏内の価格の状態だと思います。この状態の場合に持ち続ける理由が明確に自分が理解できていないです。よければ考えをお聞かせください。
Re: フラグを
すりぃさん、こんにちは。

これは失礼いたしました(笑)
誰にでも起こり得ることではありますが、その確率は人によって違いますね。できるだけその確率を抑えるように、努力してゆかなければなりませんね。

分散も、やり過ぎると今度は自信の低い銘柄までポートフォリオに組み込むことになってしまい、結果としてリターンが下がりますので、ほどほどが一番ですね。
Re: いつも真摯にご返答いただきありがとうございます。
きりさん、はじめまして。

「業績が悪い=成長ストーリー崩れ」ではありません。業績が悪いその「理由」次第です。
簡単に言えば、その理由が一過性なら買い時、恒久的なら成長ストーリー崩れですね。どちらなのかを考えるためにいろいろ決算を分析しています。

もちろん、それはこの記事にもあるように白か黒でハッキリと分かるものではありません。エスクリの今回の業績悪化はおそらく一過性だと私は見ていますが、それでも順風満帆だった以前のエスクリと比べればさすがに「黒寄り」と判断せざるを得ません。

よって、それに合わせて保有比率を下げた次第です。
はっきり「成長ストーリーが崩れた」と言えるのであれば、全株売却していますからね。
Re: No title
KIRINさん、こんにちは。

保有比率を高くしてしまうのは、結局は「欲」ですよね。自信があるが故に、その自信を少しでも多く利益に変えたいという欲だろうと思います。

ただ、この欲は必ずしも悪いものではなく、こういう欲があるからこそ株式投資にもチャレンジできますし、儲けることもできるわけですよね。

また、今回身をもって学んだのが「保有比率が低い方が、株価の暴落にも動じずに保有し続けることができる」ということですね。シュッピンとエスクリでは全然違いました(笑)
もちろん、その銘柄をどれだけ信念を持って保有しているかということも関係してきますが。
Re: No title
ランちゃんさん、はじめまして。

成長株投資というところがポイントですね。
成長株は、(割安さの変動は無視すれば)放っておいても企業の成長分だけ株価が上がります。その上げを狙えるので、割高ではなく適正であれば売るのはもったいないですね。他にもっと割安な銘柄があれば別ですが。

また、適正を超えて割高になった場合は、せっかく企業が成長しても割高→適正への値下がりで株価は思うように上がらない可能性が高いため、売りと判断しています。

これが成長株投資ではなく資産バリュー投資ならば、株価が適正になればそれ以上の上昇は(全体相場の上昇などがない限り)期待できませんから、その時点で売るのが良いと思います。
ゆうゆーさん、おはようございます。

早急な回答ありがとうございました。
続けて質問で申し訳ないですが、以前の記事でゆうゆーさんは売らない事と買うことは同意義だというような事を書いていたと思います。てことは持ち続けている適正価格内で買い増すことも問題ないということでしょうか?「割安では買うが適正価格内では買わない(買増しない)」「買わない(買増しない)ならば売るべき」ではないでしょうか?要するに購入してから売るべき株価になるまでは論理上いつでも買増ししても問題ない期間なのかなと思います。
伝わりにくい質問で申し訳ないですが考えをお聞き下さい。
すいません。一つ前のコメントは私です。
名前つけ忘れてました。
よろしくお願いします。
Re: タイトルなし
ランちゃんさん、こんにちは。

私独自の考え方になりますが、イメージ的には株価水準は「割安」「適正」「割高」の三領域が存在し、「割安」では買ってよし、「割高」では売ってよし、「適正」では売りも買いもしない、といった感じです。

「割安」「割高」の二領域しか無いと、例えば1000円未満を割安、1000円以上を割高とした時に「999円で買い、1000円で売り」という行為が正当化されてしまいます。
こんな馬鹿げた話はありませんので、買い水準と売り水準はある程度離すべきですね。

「売らない事と買うことは同義だ」と言ったのは、「買い水準以下で買う」のと「売り水準以下で売らない」というのは、水準が違うだけで本質的には同じ行為だ、という意味です。
Re: Re: タイトルなし
補足です。

先に書いた売買ルールはあくまで大もとの原則であり、例外はいくつもあります。例えば「他に大きく割安な銘柄が見つかった」ということであれば、割高水準に達していなくても売却することもあります。

むしろ例外の方が多いくらいです(笑)

ただ、以前もコメント欄で少し触れたのですが、今はこの売買ルールを少々見直そうかと検討中です。ランちゃんさんも気にされている「買い増し」「一部売り」のルールが現状曖昧なところがあり、このあたりをハッキリさせておきたいですからね。

少し時間がかかるかもしれませんが、またまとまれば記事にさせていただきます。
ゆうゆーさん、こんにちは。

回答ありがとうございます。
「買う事と売らない事は同義」という意味はそういう意味だったのですね。勘違いしてました。ありがとうございます。
確かに999円では買って1000円で売るってのはおかしいですが理論上そうなってしまうのかなと思ってしまいます。何も買わない適正価格の際に持ち続けるという事は同じ値段で売買するのと同じと思います(手数料等は考えないとして)。そうした時、売った場合に買戻せないってのがおかしくないかって何か腑に落ちなくて…

整理されて記事にするの楽しみにしています!w
自分なりにも考えてみます!ありがとうございました!
No title
お気持ちお察しします。ただあまりにも分散しすぎると今度はETFでいいのではと思ってしまいます。ここが悩みどころですよね
No title
はじめまして
ゆうゆーさん、こんにちは。

いつもブログ読まさせていただいており、自分のポートフォリオでも
ゆうゆーさんと同銘柄が何銘柄かある状態です。といってもかなりの少額な投資ですが。
今回のエスクリに関しても、分散しリスクを減らすことが大事だなと感じました。
シュッピンはゆうゆーさんの読み通りのV字回復ですね。

いつも記事楽しく読まさせていただいております。
それでは。
自信度とポジションサイズ
ゆうゆーさん、こんにちは。南郷です。

今回の記事すごく共感できました。自信度が高くても持ちすぎてはいけない。これはぼくも常日頃から心がけていることです。

ぼくは保有銘柄「鳥貴族」にかなり自信を持っていて、先日まで25%近い保有率でした。が、やはり最近思い直して、少しポジションを下げました。

自信度が全銘柄で全く同じなら、全銘柄を20%ずつ、というふうに割り切って保有できれば簡単ですが、実際にやってみるとそう簡単にいきませんよね。ぼくは保有銘柄が下がるとナンピン欲がすごく出てきてしまうので、ポジション調整と日々格闘しております(苦笑)

今後も勉強させていただきますね。
No title
回答ありがとうございます。

年初から大損害を出してしまいましたが、それは日経平均やTOPIXが下落相場だからというより、不必要に欲を出してナンピンを繰り返していたのが原因でした。実際に、フジコーポとエスクリだけ凄まじい損害額になっています。。(他銘柄の下げはそうでもない)

ただそれは、フジコーポ・エスクリの銘柄選びが間違いだとか、成長シナリオが崩れたとかではなく、単純に保有しすぎだったというのが一番の反省点ですね。エスクリは3Qの好業績を狙った、短期視点での保有比率になっていたかもしれません。

分散して100株だけ保有しているALサービスの上昇を見ていると、複雑な気分になりますね(汗)
Re: タイトルなし
ランちゃんさん、こんにちは。

「買う事と売らない事は同義」とは言っても、「買う」という行為は現状と比べてさらにリスクを上げるのに対し、「持ち続ける」という行為ならばリスクは上がりません。

だから、この両者は本質は同じでも「買う」という行為の方がより安全な領域、つまり割安な領域で行わなければいけない、ということになりますね。
Re: No title
ケージさん、こんにちは。

通常のETFではあまりにも分散され過ぎていて、魅力に欠けますね。
優秀な個人投資家の方々のETFがあれば、少しポートフォリオに入れておきたいですが(笑)
Re: No title
テツさん、こんにちは。

分散は大事ですね。エスクリを20%も持っていたのは痛かったですが、それでも20%で良かったです。もし80%も持っていたらと思うとゾッとします(笑)

私が「シュッピンのV字回復には自信がある」と言ったのは、株価ではなく業績の話です。株価がV字回復したのはたまたまです。
株価のV字回復により割高圏まで行ってしまったので、業績のV字回復を見届ける前に売ることになってしまいました。

今後ともよろしくお願いします。
Re: 自信度とポジションサイズ
南郷さん、こんにちは。

以前に記事にも書きましたが、投資家というものは慎重過ぎても大胆過ぎてもダメだと思いますね。
ただ、どちらがマシかと言われたら慎重な方がマシだと思います。

保有銘柄が下がるとナンピン欲が出てくるというのは、その銘柄に強い自信を持っていることの裏返しですね。私もそういう時はよくあります。
もちろんそれが上手くいった時も、上手くいかなかった時もありますが・・・。

自信を持つことは素晴らしいことですが、そういう時は得てして「欲」が慎重さを失わせる原因にもなりますので、心得ておきたいですね。
Re: No title
KIRINさん、こんにちは。

業績見通しは変わっていないのに株価が下がっている時にナンピンするという行為は、否定する方もいますが、これは極めて合理的な行為だと私は思っています。

ただ、ナンピンする時は「計画的かどうか」が非常に大切ですね。計画性がないと、たった数%下げただけですぐナンピンしてしまったり、いざナンピンした後で「保有比率が高すぎる」ということに気付く羽目になってしまいます。まぁ、私のよく犯す過ちです(笑)

ただ、これは結果論かもしれませんが、計画的にナンピンできた時はそれが報われた(株価が上がった)ケースが多かったような気がしますし、仮にそのまま下がり続けてたとしても、メンタル的に動じることはまずありませんね。

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